メールが届かない?SPF・DKIM・DMARCの歴史と正しい設定方法をわかりやすく解説

「送ったメールが相手に届かない」「Gmailで“SPF認証失敗”と表示された」「迷惑メールフォルダに入ってしまう」…そんな経験はありませんか?
こうしたトラブルの多くは、メール認証技術の不足または誤設定が原因です。近年は特にGoogleやYahoo!が対策を強化しており、正しい設定が欠かせません。
この記事では初心者でも理解できるよう、以下のポイントを解説します。
- SPF、DKIM、DMARCとは何か?
- どうやって設定すればいいのか?
- 設定することでどんな効果があるのか?
なぜメール認証が重要になっているのか?
2024年以降、GoogleやYahoo!はスパム・なりすましメール対策をさらに厳格化しました。次のようなメールはブロックされたり迷惑メールに振り分けられたりする可能性が高くなっています。
- SPFやDKIMが未設定
- DMARCポリシーが弱すぎる
- なりすましが疑われる送信者
つまり、メールをきちんと届けるには認証設定が必須なのです。
SPF(Sender Policy Framework)とは?
役割
送信元IPアドレスが「このドメインからメールを送ることを許されているか?」を判定します。
設定方法
ドメインのDNSにTXTレコードとして次のように追加します。
v=spf1 include:_spf.google.com ~all
この例ではinclude:_spf.google.com
でGmailの送信サーバーを許可し、~all
でその他を許可しないと宣言しています。
設定するとこうなる
一致する送信元IPからのメールはSPF=PASS、一致しない場合はSPF=FAILとなり迷惑メール扱いになります。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)とは?
役割
メールにデジタル署名を付与し、送信者本人が送ったことと内容の改ざんがないことを証明します。
設定方法
メールサービスでDKIMを有効化し、公開鍵を含むTXTレコードを追加します。
default._domainkey.example.com IN TXT "v=DKIM1; k=rsa; p=MIIBIjANBgkq..."
defaultはセレクタ名で、サービスにより異なります。
設定するとこうなる
署名が検証できればDKIM=PASSとなり、なりすましや改ざんのリスクを減らせます。
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)とは?
役割
SPFとDKIMの結果に基づき、メールをどう扱うかを指示するポリシーです。認証結果のレポートを受信することもできます。
設定方法
ドメインのDNSに次のTXTレコードを追加します。
_dmarc.example.com IN TXT "v=DMARC1; p=quarantine; rua=mailto:report@example.com"
p=quarantine
:失敗したら迷惑メールに入れるp=reject
:失敗したらメールを拒否するrua=mailto:
…:レポートの送信先
DMARCレポートとは?
レポートは1日1回程度、XML形式で送られ、どのIPからメールが来たか、SPF/DKIMの結果、失敗件数などを確認できます。
【図解】SPF・DKIM・DMARCの関係と流れ
- SPF:送信元IPが正当か確認
- DKIM:署名付きかどうかを確認
- DMARC:SPFかDKIMどちらかがOKならPASS、両方NGならルールに従う
DMARCはSPFとDKIMの総まとめのような役割を持ちます。
実際の設定でよくあるパターン
利用サービス | SPF例 | DKIM | DMARC |
---|---|---|---|
Gmail(GSuite) | include:_spf.google.com | 有効化可能 | 推奨:p=quarantine以上 |
SendGrid | include:sendgrid.net | カスタムDKIM登録 | 可能なら設定 |
Xserver | include:svXX.xserver.jp | 管理画面で有効化 | 基本的に手動設定 |
近年の大きな動き(2024年以降)
- Googleは2024年2月にgmail.comドメインのDMARCをp=quarantineへ変更し、送信者に設定を強く要求
- Yahoo!もSPF・DKIM未対応メールをスパム扱い対象に
- 大量送信(5,000通以上)の場合は配信停止リンクやスパム率管理が必須
まとめ
現在のメール配信環境では、SPF・DKIM・DMARCの設定を怠ると正常なメールも迷惑扱いにされたり、取引先に届かなかったりと重大な問題につながります。
ChottoToolの「SPF・DKIM・DMARC チェッカー&作成ツール」を使えば、設定状況の確認とレコード例の自動生成をブラウザ上で簡単に行えます。
設定が不安な方はぜひお試しください。
👉 ツールはこちら:SPF・DKIM・DMARCチェッカー
🕒 投稿日:2025-06-08